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FDA医薬品:産後うつ病の初の経口治療薬を承認

米国食品医薬品局(FDA)は、成人における産後うつ病(PPD)治療の初の経口薬であるズルズバエ(ズラノロン)を承認しました。PPDは、一般的に出産後に発症する大うつ病性障害ですが、妊娠後期に発症することもあります。これまでのPPDの治療は、特定の医療施設において行われる、医療従事者による点滴注射だけでした。

FDA医薬品評価研究センターの精神医学部門ディレクターであるティファニー・R. ファルチオーネ医師は、「産後うつ病は、女性が深い悲しみや罪悪感、無価値さを覚え、重症の場合には自分自身や子供を傷つけることさえ考えるような、深刻で命を脅かす可能性のある症状です。さらには産後うつ病は母子の関係を崩壊させることもあり、子供の身体的・感情的発達にも影響を及ぼす可能性があり、内服薬の利用は、時に命を脅かすような感情と闘う多くの女性にとって有益な選択肢となるでしょう。」と述べています。

PPDは他のうつ病と同様に、悲しみや、以前は楽しんでいた活動への興味の喪失、喜びを感じる能力の低下を特徴としており、認知障害、悲しみや不全感、気力の喪失、自殺念慮などの症状を示す場合もあります。

成人のPPD治療に対するズルズバエの有効性は、2つのプラセボ対照ランダム化二重盲検多施設共同試験で証明されました。試験の参加者となったのは、大うつ病において「精神疾患の分類と診断の手引き書」の基準を満たし、妊娠第3期または出産後4週間以内にPPDを発症した女性です。治療1では、患者に対しズルズバエ50mgまたはプラセボを夕方に1日1回、14日間投与し、治療2では、40mgのズルズバエまたはプラセボとほぼ等しい別のズルズバエ製剤を14日間にわたり投与しました。14日間の投与後は、両治療において患者は少なくとも4週間のモニタリングに置かれました。両治療の主な終点は、15日目に測定された17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HAMD-17)の総得点を用いた抑うつ症状の変化でしたが、プラセボ投与群に比べてズルズバエ投与群では有意に症状の改善がみられたのです。治療効果はズルズバエの最終投与から4週間後の42日目にも維持されたことが明らかになりました。

この添付文書には、ズルズバエが運転やその他危険な活動を行う能力に影響を与える可能性があることを示す警告が記載されています。また、患者は自分の障害の程度を評価できない可能性があり、危害のリスクを減らすため、ズルズバエ服用後少なくとも12時間は運転や重機の操作を控える必要があります。

最も一般的な副作用として、眠気、めまい、下痢、疲労、鼻咽頭炎(風邪)、尿路感染症などが挙げられます。ズルズバエ使用は自殺念慮や自殺行動を引き起こしたり、胎児に害を及ぼしたりする可能性があります。女性はズルズバエ服用中および服用後1週間は効果的な避妊をする必要があります。

ズルズバエの1日の推奨用量は50mg。1日1回、14日間かけ、脂肪分の高い食事と一緒に夕方に服用すること。

FDAはこの申請を優先審査およびファスト・トラックに指定しました。
ズルズバエは、Sage Therapeutics, Inc.の製品です。


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