デジタルヘルスソフトウェア事前認証プログラムとは
米国食品医薬品局(FDA)は、2017年7月に医療用ソフトウェア(Software as a Medical Device ; SaMD)事前承認プロセスを構築するための、デジタルヘルスソフトウェア事前認証プログラム、Digital Health Software Precertification(Pre-Cert)Programを立ち上げ、同年9月には、選出された企業9社のプログラム参加認定を発表しました。その後、2019年1月には新たにSoftware Precertification Programの2019 Test Plan及びWorking Model v1.0を発表しています。
«2017年7月に参加認定された企業9社»
Apple社(米国)、Fitbit社(米国)、Johnson & Johnson社(米国)、Pear Therapeutics社(米国)、Phosphorus社(米国)、Roche社(米国)、Samsung Electronics社(米国)、Tidepool社(米国)、Verily社(米国)
デジタルヘルスソフトウェア事前認証プログラムの特徴は、個々の製品ではなくその製品を手掛けている企業自体を事前に認証するところにあります。「製品」ではなく「企業」に焦点を当てている理由として、デジタルヘルスアプリなどの医療用ソフトウェアは機能の更新が随時行われることから、ソフトウェア製品ごとに有効性や安全性を審査していくことは非効率であるということが挙げられます。FDAが想定している事前審査とは、その企業のソフトウェア設計・検証・メンテナンスや企業としての透明性、リスク管理などについて審査し、優位性の高い企業であるかどうかをFDAが判断することです。また、サイバーセキュリティーにも重点が置かれています。
この事前認証プロセスでは、企業が高品質で安全性が高く、効果的な医療用ソフトウェアを生み出すことができるというFDAの保証が与えられます。そのため、事前認証を受けた企業は、新しいデジタルヘルス製品をFDAに申請する際、提出資料や審査が簡素化され、より効率的な審査システムが構築されることとなります。
FDAによると、2019年1月時点では事前認証プロセスを調査・評価している状況であり、今後も継続してWorking Model v1.0を試す予定とのことです。
今後もグロービッツでは、デジタルヘルスソフトウェア事前認証プログラムについての情報を追ってまいります。また、FDAへの医療機器の申請に関しまして日本語によるサポートを行っております。ぜひお気軽にご相談ください。
参照1: Digital Health Software Precertification (Pre-Cert) Program
https://www.fda.gov/medicaldevices/digitalhealth/digitalhealthprecertprogram/default.htm
参照2: Precertification (Pre-Cert) Pilot Program: Frequently Asked Questions
https://www.fda.gov/MedicalDevices/DigitalHealth/DigitalHealthPreCertProgram/ucm577330.htm